ノーカーボン紙の説明

 ノーカーボン紙は、ボールペンなどで上から書くと、下の紙に書いた文字が写る特殊な紙です。
 ノーカーボン紙は、ノンカーボン紙、感圧紙、感圧複写紙とよばれ、いずれも同じです。
 裏も表も白いのに、上から文字を書くと下の紙に文字が写る不思議な紙です。
申込用紙や伝票などに幅広く使われ、一般的には、銀行や信販会社などの申込用紙などで主に見かけます。
昔の裏面が黒いカーボンを使った紙と違い、手などが汚れません。

 この紙には上用紙(A紙)、中用紙(B紙)、下用紙(C紙)の3種類があり、一定の組み合せの時にだけ、筆圧などで発色します。
 1枚だけでは何も機能しません。 A紙だけや、C紙だけ、普通の紙と重ねても何も写りません。
決められた組合せで重ねられ、かつ、一定以上の圧力がかかった時にだけに下の紙に文字が写ります。

 よく似た機能の紙に、裏面が黒いカーボン紙があります。
カーボン紙はその名の通り、裏面に黒いカーボンが塗ってあります。
下の紙に制限がなく、どのような紙にも複写できるのですが、触れた面はどこでも汚してしまいます。

 それに反しノーカーボン紙は、名前の通り「カーボン」を使っていません。
代りに化学反応で文字を写します。 文字が写るしくみは、次の項目で説明するのですが、カーボン紙のように、相手がどのような紙でも複写できる訳では有りません。
用紙には裏表があり、扱いも注意が必要なのですが、カーボン紙と違い、手や机や他の紙を汚しません。

・ノーカーボン紙の種類
 ノーカーボン紙には、1枚で自己発色するタイプや、2種類の発色をするもの、発色の波長をOCR機で読めるようにしたもの、より保存性に優れたもの、ノンインパクトプリンタ(NIP)などの高速・高熱に耐えうるものなど、色々なタイプがあり、用途に合わせて選ぶ事が出来ます。

ノーカーボン紙の発色のしくみ

 下の絵はイメージですが、鉛事やボ-ルベン等で上の紙に文字を書きます。
すると加えられる圧力で上の紙の裏面に塗られた染料入りのマイクロカプセルが壊れます。
壊れた中の染料と下の用紙の表面に塗られた顕色剤とが反応して色が出ます。
ですので、発色の色を変えたい時は、上の紙の裏に使われている染料の種類で決ります。
また、A紙やC紙を単独で、または、B紙も1枚だけでは化学反応が起きない事は、ここからも理解できます。

 染料としてはロイコ色素を、また顕色剤としてフェノール化合物またはシリカゲルを用います。
染料はゼラチンなどのマイクロカプセルに閉じ込め、簡単にカプセルが壊れては困るので、架橋材(いわゆるクッション)として小麦粉澱粉などで守ります。
(下の図には描かれてませんが、架橋材は、発色剤(染料)と共に上用紙や中用紙の裏面に塗られています。
M-発色原理.jpg

 こんなにすごい技術なのに、意外に製品自体は40年以上も前からあったのです。
やはり主に官公庁や金融機関などの民間企業で使われていました。
しかし、感圧紙は昔、ポリ塩化ビフェニル、いわゆるPCBを染料の溶媒としてマイクロカプセル中に内包していたため、この種の製品は昭和47年に製造中止となりました。
 現在では環境に配慮し、PCBの含まない溶剤に切り替え、また、ゼラチンの代りにポリマーを利用したマイクロカプセル技術が進み、より一層きれいに発色するようになっています。


参考リンク

富士フイルム ビジネスサプライ株式会社殿
 富士フィルム感圧紙技術案内  感圧紙の発色原理と構造
 http://fujifilm.jp/business/printing/paper/kanatsu/techinfo/index.html

キリヤ化学株式会社殿
 感熱紙はどうして色が出るのですか?
 http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q17.html


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http://www.arufun.com/
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