インクジェットプリンタとレーザープリンタの印刷結果比較

特に旧機種のインクジェット(バブルジェット含む)方式のプリンタで印刷を予定しておられるお客様は、ご注文の前に、以下をご理解の上お買い求め下さい。
(結論は一番下にあります。)
1.緒言

 この実験は、日本で一般的に普及している方式のプリンタ機器を用い、ノーカーボン紙(感圧紙)に印刷した場合の印刷品質について、お客様が比較検討して戴けるようにする事を目的とする。
 内容的には、普通の文字、縦横斜めの線、アニメ画、参考としてカラー写真についての印刷結果を掲載する。

2.印刷用紙・機器と方法
<実験用紙>
 用紙は全てA5サイズ(210mm×148mm)とした。
 ・ASKUL マルチペーパー スーパーエコノミー(乾式PPC:コピー用紙)
    秤量:約64g/㎡ 紙厚:平均90.0μm   白色度:約82%
 ・弊社発売の感圧紙 ノーカーボン紙 上用紙(A紙)
    秤量:約60g/㎡ 紙厚:平均74.6μm   白色度:約90%
 ・弊社発売の感圧紙 ノーカーボン紙 中用紙(B紙)
    秤量:約60g/㎡ 紙厚:平均78.2μm   白色度:約84%
 ・弊社発売の感圧紙 ノーカーボン紙 下用紙(C紙)
    秤量:約60g/㎡ 紙厚:平均121.2μm  白色度:約88%
 ・FUJIFILM INKペーパー ハイグレード専用紙
    秤量:不明    紙厚:平均109.46μm  白色度:約86%

<使用機器>
 ・Canon BJ-850upgrade (インクジェット方式:バブルジェット方式) (1999年頃の機種)
 ・Canon MP970       (インクジェット方式:バブルジェット方式) (2007年頃の機種)
 ・EPSON LP-9000CZ   (レーザー方式:カラーレーザープリンタ)
 ・EPSON GT-7000S    (イメージリーダー)

<印刷イメージ>
以下のデータを作成 pdf Data

---印刷データ Start---

上中下用紙の特徴と見分け方

ノーカーボン紙には、上用紙(A)、中用紙(B)、下用紙(C)3種類があり、それらには裏表があります。
裏表も含めた決められた組合せで重ねられ、かつ、一定以上の圧力がかかると文字が下の紙に写るので、用紙の種類や裏表の判定は、とても重要になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

---印刷データ End---

<印刷・読み取り方法>
 1.各プリンタの印刷位置等の調整をする。
 2.各プリンタの設定を高品位にして上記データを、それぞれの用紙に印刷する。
   PPC、上用紙、中用紙、下用紙。
   ハイグレード専用用紙は、BJ-850でのみ印刷。
 3.印刷したそれぞれの用紙を、スキャナーで読み撮る。
   24bitカラー 解像度:線画/中間調:2400 720dpi
 4.24bit Windows形式のBMPで保存

3.実験結果
<LP-9000CZ>
コピー用紙
   
上用紙
   

中用紙
   

下用紙
   

感圧発色試験
中用紙 下用紙

<CANON BJ-850>(1999年頃の機種)
コピー用紙
   
上用紙
   

中用紙
   

下用紙
   

ハイグレード専用紙
   


<CANON MP970>(2007年頃の機種)
中用紙
   

<その他>
 用紙カセットのピックアップローラーによる中用紙の発色
カセットのピックアップローラーによる中用紙の発色 カセットのピックアップローラーによる中用紙の発色部分

 中ぐらいの大きさの一覧で見る


4.考察と結論
<レーザプリンタ>
 レーザープリンタで印刷した場合、全ての用紙においてニジミのない鮮明で高品質な印刷結果であった。 ノーカーボン紙に塗られている顕色剤の影響もほとんど受けず、カラーも綺麗な状態と言える。
また、トナー定着時の高温にも影響されず、感圧発色試験でも良好な発色をしている。

<インクジェットプリンタ(BJ-850 1999年頃の機種)>
 インクジェットプリンタで印刷した場合、インクジェット専用用紙であるハイグレード専用紙を除いた全ての用紙においてニジミが発生している。
 ハイグレード専用紙も、顕微鏡で観るとわずかであるがニジミがあるが、肉額ではまったく見えない。
 ハイグレード専用紙の左から2番目の印刷結果を見ると、横線には突起があるが、縦線には突起が発生していない。 これはヘッド位置調整が正しく行われていないための印刷ズレであり、ニジミによる現象ではない。 インクジェットプリンタで印刷した用紙の全てにこの現象が起きていると考えられる為、ニジミと間違わないように観察した。

 ニジミの程度は、ハイグレード専用紙 < コピー用紙 = 上用紙 < 下用紙 < 中用紙 の順であった。

 中用紙と下用紙は、表面に塗られている顕色剤とインクが反応して、色も濃く、太く表現され、その為に余計にニジミが強調される結果となった。 特に中用紙の左から2番目の印刷結果を見ると、使用に適さないと思われる程のニジミが発生している。

 下用紙は、中用紙程ではないが、よく見ると肉眼でもはっきりと判るニジミが発生している。
下用紙が中用紙に比べてニジミが抑えられた理由は、顕色剤とインクに親和性があるため染込みやすく、用紙にも厚みがあり、裏面に何も塗られていない為にインクが縦に染込むことが出来た為と推測される。
 それに対し中用紙が横に広がってニジンだ理由は、用紙が薄いことと、既に表面には顕色剤、裏面には染色剤が塗られていて、インクが縦に染込む隙間が少なくない為、横に広がったと考えられる。
 下用紙のニジミ具合は、使用出来るかの判断が非常に難しい。 使用できるか出来ないかは、個々の目的により、それぞれの判断が必要と考えられる。

 カラーの発色は、ハイグレード専用紙 < 下用紙 < 中用紙 < 上用紙 < コピー用紙 の順であった。

 インクジェットプリンタでの印刷では、ハイグレード専用紙を除くと下用紙が一番綺麗であった。
これは多分、ノーカーボン紙の紙の質が良い事と、顕色剤がインクの発色を助けた為であろう。
また、カラー印刷でよくある裏側にインクがニジム事は、全ての用紙においてなかった。

 印刷イメージの違いとして、上用紙の表面には何も塗られていないのでコピー用紙と同程度の印刷品質だが、中用紙や下用紙は顕色剤により印刷文字がくっきりとしている。 これらの点も実際に使用する時には考慮が必要である。

<インクジェットプリンタ(MP970 2007年頃の機種)>(2011/03/24追加)
 今回は中用紙のみの印刷を行った。
 レーザープリンタと比べると、多少のニジミ(中用紙の左から2番目の印刷結果)はあるが、 実用に耐える結果となった。
 また、顕色剤の影響も少なく、文字や線も異様に発色する事がなく非常に見やすい。
しかし、写真などのべた塗りについては、やはりインクが染み込む隙間が少ない性であろうか、夕日の中の橋のワイヤーがハッキリと見えない。
それに今回の60g/㎡の用紙では、水を垂らした時に出来る波打つ現象が裏面に見られた。


その他
 今回の実験で気付いた事だが、中用紙を重ねてプリンタから印刷すると、用紙の端にはっきりとした発色が見られた。 原因は、用紙をピックアップするゴムローラーからの圧力と中用紙どうしのこすれのようである。
今回の機種は、手差し口がなく、用紙カセットに用紙をセットした。 この用紙カセットの用紙を持ち上げるスプリングが強い為に発生したようである。
発色の程度は、機種で分類できると思うが、今後の実験や情報の収集が必要のようである。
 今までの経験では、感圧紙は手差し口にセットしていた為か、このような現象には気付かなかった。 多分、手差し口からでも、多少の発色はしていたのであろう。
 回避策として、用紙は手差し口にセットすることをお勧めします。
また、発色は、ピックアップするゴムローラーがあたる一部分だけなので、実務に影響しないように用紙の向きを考えてセットする事も回避策と言えるであろう。
 因みに、この現象は、ノーカーボン紙の構造上、中用紙のみに見られる現象であり、他の上用紙、下用紙のみの単種の重ねでは発生しません。

 今回の印刷機器では、Canonのバブルジェット方式のみを実験したが、EPSONのインクジエット方式や他のメーカーの機器、インクの違いによるニジミも検証する必要があるようである。


<結論>
・レーザープリンタについて
 ノーカーボン紙への印刷は、全ての用紙においてレーザープリンタが適していると言える。

・インクジェットプリンタについて
1999年製などの古い機種では、中用紙のニジミがひどく、適していないと判定した。 
 その他の上用紙、下用紙については、コピー用紙と同程度のニジミなので、使用に問題はないと考えるが、ニジミが少しでも気になる方は使用しない方が良いと言える。
 また、下用紙はインクの発色が強くなる傾向があり、上用紙とは明らかにイメージが違う。 違和感はあるが、文字がニジンで読みにくいと言う事はないので、個々の判断で使用して頂きたい。

・2007年製以降の比較的新しい機種では、べた塗りをしない限り、中用紙でも問題なく使えるといえる。
この事から上用紙及び下用紙について推量すると、同様にべた塗りをしない限り、問題なく使用出来るといえる。

ノーカーボン紙適合判定結果(ベタ塗りを除く)
ハイグレード専用紙 上用紙 中用紙 下用紙
レーザープリンタ
最近のインクジェットプリンタ
2007年製以前の
古いインクジェットプリンタ
×
HP社製インクジェットプリンタ
 ◎:適している ○:使用できる △:判断が必要 ×:適していない
以上

form:2011/03/25 BJ850 MP970

ノーカーボン紙の説明一覧へ

http://www.arufun.com/

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